亥之吉の日々JOURNAL

生地や図案のこと、たとえば「はなふさ」

亥之吉は京都の染め屋、京美染色株式会社のファクトリーブランドで、商品のプリントは全て自社でインクジェットプリント、または亀岡の自社工場でハンドプリントで染めております。

一番人気のベンリーがま口中トートバッグミニトートバッグの表地は倉敷帆布の7号変り織帆布(酒袋)で作っております。

昔はお酒を作る際にこの帆布に入れて絞っていたそうです。

現在は酒袋としては使用されておりませんが、通常の帆布よりややざっくりとした織りになっており軽い仕上がりが特徴です。

倉敷帆布の酒袋を使用(柄は「まんかいうめ」)

シャトル織機(生地を織る機械で緯糸”よこいと”を通すためのシャトルがある)で織られていて、織目が大きめで凹凸が多いのが特徴の帆布です。

凹凸が多い生地はプリントする際に窪みにインクが入らないことが多いのですが、弊社では工夫を重ねて綺麗に色が入る様にプリントしております。


亥之吉のデザインはたくさんの古い図案集から厳選した柄をスキャニングしパソコン上で柄の輪郭をトレース、デジタルデータに仕上げていきます。(大変手間のかかる作業になります)

明治からの図案集

商品アイテムに合わせて柄の大きさ・間隔・配置などを調整します。

亥之吉の中トートやベンリーがま口などは総柄ではなく、パネル柄(多く見られる総柄と違い繰り返しがなく一枚の絵の様に見える柄)で表面と裏面で柄が違うのが特徴です。

デザイナーは枠の中に絵を描く様に図案集から選んだ柄の一番いい場所をデザインしております。

選ぶ場所で柄のイメージが変わってきますので、一番の悩みどころです。

例えば「はなふさ」柄は元画像とこんなにイメージが変わります。

中トートバッグ「はなふさ ふかみどり」

花房はふさのようになって咲いている花の意味があり、房状に群がり咲いた花を抽象的にデザイン化し、落ち着いた風情にしました。

ともに描かれた楓は凛と格好良く、女性らしい佇まいを演出しています。


そんな図案からのデザインと共に重要なのが配色です。配色も色違いで何パターンも作成してスタッフみんなで意見を出しながら決めていきます。

イベント出店の際のご意見やお客様からのメールやレビュー、亥之吉高倉錦店でお客様の「こんな配色がいい」「こんな柄作って欲しい」というお声も参考にさせていただいております。

秋頃から冬にかけて配色を決めるので、秋冬に似合う配色になりがちなのですが春や夏にも似合う配色を心がけております。

布の状態と実際にバッグやがま口になったものではデザインの見え方が違うので、数パターンプリントした生地に、がま口の形の枠をはめて柄の出方や大きさをチェックします。

がま口の型枠で確認しています

「もっと派手なのが可愛いかも?」「もう少し柄を小さくしようか?」など、納得するまで何度も話し合いや調整が続きます。

そんな工程を経て亥之吉の商品が出来上がりますが、いつもデザインを考え製品になるまでドキドキし、皆様にお披露目して気に入っていただけるか心配しながらデザインを考えております。

お手元に届いた皆様の「素敵な柄で気に入りました」などのお声が日々の励みになっておりますので、ぜひお声をお聞かせくださいませ。

大胆にデザインした華やかな和モダン柄はギフトにも喜んでいただいております。ラッピングは無料で承っておりますのでぜひギフトにもお選びくださいませ。

季節の贈り物はこちら

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