• HOME
  • 亥之吉の日々
  • 創業200周年記念 フィンレイソン展 ―フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル

亥之吉の日々JOURNAL

創業200周年記念 フィンレイソン展 ―フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル

フィンレイソン展-京都文化博物館

京都文化博物館で開催されている「フィンレイソン展」に行ってきました。

フィンレイソン展-京都文化博物館

フィンレイソンとは、北欧フィンランドにおいて1820年に創業したテキスタイルの会社であり、この社名をブランドとして寝装具や、室内を彩る多彩なテキスタイルを製作し、フィンランドの家庭に愛用されてきました。本展は2020年に創業200年を迎えたことを記念し、その歴史を振り返る展覧会です。
(京都文化博物館の案内より)

フィンレイソン展
もう終わってしまいましたが「フィンレイソン柄の折り紙を折ろう」のワークショップも開催されていました

フィンランド最古のテキスタイルブランドの展示ということで、亥之吉スタッフで勉強に行ってまいりました。

・紡績工場からテキスタイル産業へ
フィンレイソンは1820年に紡績工場から始まりで、初期の織物デザインはチェック柄やストライプ柄の実用的なホームテキスタイルデザインがメインでした。
そこからファッションテキスタイルにシフトされ、チェックやストライプも季節によって華やかな色合いが多くなり、花柄やペーズリー柄がデザインされていきました。
フィンランド初となる女性雇用の場が提供されたとのことで、働く女性の写真も展示されていました。
たくさんの女性が様々な工程で仕事に携わり後にデザイナーとなって、素晴らしいテキスタイルデザインが生み出された事がわかる展示になっています。


・テキスタイルで仕立てるファッション
1935年頃からマーケティング広告が展開され、製品をPRするための生地見本帳や、広告ポスター・婦人雑誌などが展示されていて、フィンレイソンの製品がファッションや家庭にどのように広められたのかが分かります。
昔から広告(イメージ戦略)って大事だったんですね。
小さな生地見本よりモデル着用写真やイラストは、ワンピースなどの服に仕立てた時に柄がどう見えるかがわかりやすく、イメージしやすくなりますね。

フィンレイソン展

ライフスタイルと共に寝装具アイテムも充実していきます。
生活にゆとりができるとライフスタイルにも様々なデザインが求められきます。
亥之吉でも日常を彩る雑貨を常に意識して作っておりますが、日々の生活でデザインや色がいかに大事かがわかります。
寝具やテーブルクロスに可愛い柄や素敵な色が使われていると、寝るのが楽しみになったり、食事を作るのも楽しい時間になりますよね。


フィンレイソン展
使う色の数が書かれています

1951年にフィンランド初の社内デザインアトリエが設立され、社内デザイナーが登用されました。
今でも人気のデザイナー「アイニ・ヴァーリ」のオンップ(リンゴ)柄や「ライナ・コスケラ」のエレファンティ(象)などのデザイン原画も展示されてます。
シンプルな柄ですが、ちょっとした遊び心が効いていて、その生地を使うときに楽しんで欲しいという気持ちが感じられます。

フィンレイソン展ミリヤ・ティッサリ

多くの女性デザイナーがデザインした原画と共に、プリントした生地が展示されていて、原画を元に配色変えをした生地が飾られ、色によってイメージが変わるのがとても興味深かったです。
特に面白かったのはデザインの工程で使う色数が表示してあるところ。
亥之吉の本社、京美染色は染色会社ですので配色変えや色数は日々気にしているところです。

フィンレイソン展
スティーナ・トイヴィオ作 原画 カットした紙を貼り付けてデザインされています

インクジェットプリントは色数を気にせずプリントしておりますが、手捺染(ハンドプリント)は色ごとに版を作って色を重ねていくプリント方法ですので、色数が多くなるほど版代やインク代が生地にプラスされていきます。
いかに色数を少なくして、デザインをよく見せ、コストを抑えて素晴らしいファブリックを作るかがデザイナーの腕の見せ所。
当時のデザイナーのシンプルでありながら斬新で何年経っても色褪せないテキスタイル、まさに「デザイン力」を目にしとても勉強になりました。
展示品の生地を近くで細部を眺め、離れて全体を見てはを繰り返しじっくり堪能しました。


1970年代にはプリント技術の発展に伴い、マリメッコのような大柄デザインが登場。

フィンレイソン展
ピルッコ・ハンマルベリ作 「レニータ」カーテン生地
フィンレイソン展
ピルッコ・ハンマルベリ作 「レニータ」配色によって雰囲気が変わります

4階の展示の最後の方にムーミンの権利元より承諾を得てムーミンコレクションをデザインしたリーサ・コタの原画や生地が数多く展示されていました。
ムーミンやムーミンの仲間達の優しげな雰囲気や楽しそうな世界観が生地になっていて、こんな柄だったら子供じゃなくてもカーテンや、ベットカバー、壁紙にしても素敵だなぁと思いながら3階展示へ。

フィンレイソン展
クッションのようなオブジェが3階の入り口に

フィンレイソン展は京都文化博物館の4階・3階展で開催されていますが、4階から先に見学し3階に降りていきます。
3階の展示からは写真撮影OKとのことで、たくさん撮影してきました。

フィンレイソン展
プロジェクションマッピングで白いワンピースにフィンレイソンの柄が
フィンレイソン展
ウッラ・ペルホ作の原画とプリント生地
フィンレイソン展
アヌ・サーリ作 考え込んでいるパンダをパターンにした2000年代の作品。

パンダが考え込んでいるデザインを見て、「このパンダは何を考えているんだろう」と見る人に問いかける作品。

フィンレイソン展
ウッラ・ペルホ作 原画(上)・生地(下)
フィンレイソン展
リサ・スーラ作 キオト(京都)原画(上)・生地(下)

最後に「フィンレイソン展」の図録にフィンレイソン社 クリエイティブ・ディレクターのユッカ・クルッティラの言葉として、「デザインには、生活の場としての世界をより良くしていくという責任があると考えます。」という言葉が心に残ります。

フィンレイソン展サステナブル
サステナブル シーツをリユースして作られたテープを裂き織のラグやクッションに

少し前までは「便利なもの」「早くできるもの」「安価なもの」などを求められる事が多かったのですが、
時代と共に価値観も変わっていき「地球に優しいもの」「丁寧に作られているもの」「長く使えるもの」など求められるものも変化しています。

フィンレイソン展
サミ・ヴッリ作 オッツォ(熊という意味) ベリーを摘む熊たち。お腹のベリーがユーモラス

亥之吉の商品も長く皆様に使っていただけて、時代と共に変わりゆくの生活の彩りに、また日々の暮らしをちょっと気分よく過ごせるデザインアイテムになれば・・・と思いました。

フィンレイソン展
ミュージアムショップもかなり可愛い がま口やトートバッグなどどれも素敵でした💕

「フィンレイソン展」は2022年の1月10日月曜日まで開催されていますので、ぜひご覧ください。


会期:2021年10月9日(土)~2022年1月10日(月・祝)
休館日:月曜日(祝日は開館、翌日休館)・年末年始(12月27日~1月3日)
会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)
URL https://www.bunpaku.or.jp
開室時間:10:00~18:00(金曜日は19:30まで)
*入室はそれぞれ30分前まで

お問い合わせ:京都文化博物館 075-222-0888

一般(当日):1,500円
大高生(当日):1,100円
中小生(当日):500円

上記料金で2階総合展示と3階フィルムシアターがご覧いただけます。(ただし催事により有料の場合があります



亥之吉の店舗は京都文化博物館から高倉通りを南に(京都大丸方面に)行き、錦市場に行くまでの所にありますので、京都文化博物館にお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。


亥之吉実店舗:亥之吉高倉錦店
〒604-8125
京都市中京区中魚屋町510-3

店舗の最新情報などはInstagramでも発信しております。

この記事をシェア

その他の記事Other articles

Instagram

亥之吉高倉錦店のInstagram。お店での日々や商品の魅力、使い方を発信しています。